2024年から始まった「新NISA」は、
「これから少しずつ資産づくりを始めてみたい」
「家計にゆとりを持たせたい」
そんな主婦の方にとってとても心強い制度です。
なかでも「成長投資枠」は、将来のためにお金をしっかり育てたい方にぴったりのしくみ。
より高いリターン(利益)が期待できる商品にも投資できるので、資産づくりの大きな力になってくれます。
この記事では、
- 新NISAと成長投資枠のきほん
- 成長投資枠の銘柄の選び方
- リターンが狙える人気のおすすめ商品10選
などを、「投資ってちょっと難しそう…」と感じている方にもわかりやすく、やさしく解説していきます。
新NISAの「成長投資枠」ってどんな制度?
まずはカンタンに「新NISA」について説明します。
もう知ってるよ!という方はおすすめ銘柄にジャンプ
新NISAとは?
NISAとは、投資で得た利益に税金がかからないお得な制度のこと。
2024年からスタートした新NISAには2つの投資枠があります。
- つみたて投資枠(年120万円まで):毎月コツコツ積み立てる長期投資向け
- 成長投資枠(年240万円まで):大きいリターンも狙える自由度の高い枠
年間360万円、最大1800万円まで非課税で投資ができます。
成長投資枠ってなに?どんなことができるの?
「成長投資枠」は、株や投資信託、ETF(上場投資信託)に投資できる枠です。
ラインナップが豊富で、
- アメリカの有名企業の株
- 話題のハイテク関連ファンド(AIやITなど)
- NASDAQ100(人気の米国企業が集まった指数)に連動した商品
- インドや新興国などこれから伸びていきそうな国の株式ファンド
など、多様な商品に投資することができます。
値動きが大きくなることもありますが、将来のリターン(利益)をしっかり狙いたい人にぴったりの枠です。
インデックス投資信託って?初心者におすすめな理由
インデックス投資信託とは、日経平均株価やS&P500、NASDAQ100などの市場全体の動き(=インデックス)に合わせて運用される投資信託のこと。
なぜ初心者におすすめなのでしょうか?
ポイントはこの3つです。
- 手数料が安いから長く続けやすい
- プロが運用してくれるので難しい知識がなくてもOK
- 自動で分散投資できるから一社だけの株を買うよりもリスクを分散できる
「おまかせでコツコツふやす」投資として初心者の方でも安心してはじめられます。
投資信託を選ぶときのポイント
投資信託を選ぶときは、以下の4つをチェックしましょう。
- 信託報酬の安さ
- 純資産総額の大きさ
- 運用実績とリターン
- 対象地域やテーマ
1つずつ見ていきます。
信託報酬の安いものを選ぶ
銘柄選びの大事なポイントの一つが手数料です。
信託報酬(しんたくほうしゅう)とは、投資を続けている間ずっとかかる「運用管理手数料」のこと。
この費用が高いとそのぶん将来の利益が目減りしてしまいます。
だから、できるだけ手数料の安い商品を選ぶことが長期の資産づくりにはとても大切です。
純資産総額が大きい銘柄=人気がある商品
純資産総額(じゅんしさんそうがく)とは、その投資信託にどれくらいのお金が集まっているかを表す金額のことです。
この金額が大きいほど、「たくさんの人が選んでいる=人気がある」ということになります。人気がある商品は、長く運用が続けられやすく、安心して長期の資産づくりができるというメリットがあります。
さらに、多くのお金が集まっているファンドは効率的に運用されることが多いため、信託報酬も比較的低めに設定されていることが多いんです。
つまり、純資産総額が大きいと「人気があって安心、手数料も抑えられるかも」といううれしいポイントがそろった商品と言えます。
運用実績とリターン
「これまでどんな成果を出してきたのか(=運用実績)」と「実際にどれくらいお金が増えたのか(=リターン)」も大事なチェックポイントです。
運用実績を見ると、その投資信託が「安定して成長してきたのか」「波が激しいのか」などそのファンドの性格がわかります。
たとえば…
- 過去5年で右肩上がりに増えている商品は長期的な資産づくり向き
- ハイテク株やインド株・小型株などは値動きが激しい など
リターンは「1年あたりどれくらい増えたか」の目安になるので、安定して成果を出してきたファンドかどうかを判断するのに役立ちます。
ただし、たとえ過去のリターンが高くても「今後も必ず増える」という保証はありません。
特に成長投資枠で選べるような値動きの大きい商品は、経済ニュースや政策の変化、為替の変動などの影響を受けやすく、上下の変動も大きいことがあるのでリターンだけで選ぶのは危険です。
だから、「運用実績」「リターン」「ファンドの内容」「リスクの大きさ」など、いくつかの視点でバランスよくチェックしてくださいね。
自分の目的にあった対象地域やテーマを選ぶ
投資信託を選ぶときは「どこの国や地域に投資しているか」「どんなテーマで運用されているか」を見るのもとても大切。投資先によってリターンの期待値やリスクの感じ方がまったく変わるからです。
たとえば…
- 「全世界」や「アメリカ」など広く分散されたもの
- 「インド」「IT系」などテーマ性のある商品 など
安定感を重視するなら分散型の商品、将来のリターンに期待するならテーマ性のある商品など、自分の投資目的に合ったものを選びましょう。
成長投資枠で選びたいリターンを狙えるインデックス投資信託10選
ここからは、成長投資枠で投資できる人気のインデックス型投資信託を10本厳選してご紹介します。
【米国株】成長を重視するならこれ
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
信託報酬:0.09372%
数ある投資信託の中でも特に人気が高く、初めての投資にも安心して選ばれている銘柄です。
アメリカを代表する大企業500社にまんべんなく投資できる仕組みになっていて、過去30年で年平均およそ10%のリターンを出してきました。
しかも、運用にかかる手数料(信託報酬)はたったの0.09372%と業界でも最安水準。コストをおさえてムダなく投資したい方にもぴったりです。
コツコツ積み立てたい方にも、一度にまとまった金額を投資したい方にも向いている商品で、長く続けるほど効果が実感できる投資先として注目されています。
【全世界株式】王道の分散投資
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
信託報酬:0.05775%
これ1本で世界中の株式にまとめて投資できる、とても便利な投資信託です。
通称「オルカン」と呼ばれ、アメリカ・ヨーロッパ・日本などの先進国からインドやブラジルなどの新興国まで幅広い国々の株式に自動で分散投資できます。
「どこの国の株が将来伸びるか、よくわからない…」という方にぴったり。
しかも、信託報酬はたったの0.05775%と超低コストです。運用にかかる費用が抑えられているぶん、将来のリターンにも差が出やすくなります。
いろんな国に分散投資しているため、リスクを抑えながら長期的に資産を増やすことを目指せるのも魅力。初心者から上級者まで多くの投資家に選ばれています。
【インド株】めざましい経済成長に期待
次に注目したいのは、最近人気が高まっているインド株への投資です。
インドは、いよいよ中国を抜いて世界一の人口を持つ国になりました。
しかも、まだまだ若い人が多く、働き手がたくさんいる「人口ボーナス」の時代がしばらく続くと予想されており、インドの経済成長が今後も期待できます。
また、2027年にはインドのGDP(国の経済規模)が世界第3位になるとも言われていて、まさにこれから伸びていく国です。
iFreeNEXT インド株インデックス
信託報酬:0.473%
インドの代表的な株価指数「Nifty 50」に連動する投資信託です。
Nifty50とは、インドの主要企業50社で構成された指数。信託報酬は0.473%。
インドはIT産業や製造業の発展により、多くの企業が急成長を遂げており、長期的には非常に魅力的な投資先といえるでしょう。
ただし、単一国への集中投資となるため、リスク管理には十分注意が必要です。
インド株は値動きが大きいため、短期で見ると上下に激しく動くこともあります。長期的にじっくり育てるイメージで、資産の一部として持つのが◎。
【ハイテク・半導体】最先端企業に投資してリターンを狙う
成長投資枠では、最近話題の「NASDAQ100(ナスダック100)」にも投資できます。
この指数は、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどのハイテク企業がたくさん含まれていて、AIや半導体などの成長分野に直接投資できるのが特徴。上下に揺れやすいという特性がありますが、AIの進化や米国の強い技術力を考えると今後も十分期待できます。
また、「SOX指数」に連動する商品もリターンを狙えます。
NVIDIA(エヌビディア)やAMD、ブロードコムなど、世界的に注目される企業が詰まっていて、ハイテクの中心である「半導体分野」に特化した投資ができます。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
信託報酬:0.495%
アメリカのハイテク企業が集まるNASDAQ100指数に連動したファンド。
Apple、マイクロソフト、Google、Amazon、テスラなど世界をリードするIT企業が中ハイテク株特有の値動きの激しさがあるものの、心で、過去10年間のパフォーマンスはS&P500を大きく上回っています。
信託報酬は0.495%とやや高めですが、高い成長性を誇るハイテク企業への集中投資により大きなリターンが期待できます。
テクノロジーの発展による恩恵を受けたい投資家におすすめです。
ハイテク株特有の値動きが激しい点にはご注意くださいね
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス(楽天証券限定)
信託報酬:0.2035%
楽天・NASDAQ-100インデックスは、NASDAQ100に連動する投資信託で、楽天証券限定の商品です。2023年に登場して以来、急速に人気を集めています。
信託報酬は0.2035%と、NASDAQ100連動型の投資信託としては比較的低コスト。毎月の積み立てや長期保有でも無理なく続けられる範囲と言えるでしょう。
ハイテク企業は相場の影響を受けやすいため、景気が悪くなると大きく下がることもあります。「多少の値動きは気にしない」「長期目線で投資する」という方におすすめです。
楽天・SOXインデックス(半導体特化)
信託報酬:0.09372%
楽天証券の成長投資枠対応ファンドで、アメリカの半導体株30社で構成される「フィラデルフィア半導体指数(SOX)」に連動するインデックス型の投資信託です。
エヌビディア・AMD・ブロードコムなどAIやデータセンター、自動車など幅広い分野で使われる半導体に特化しています。
ここ最近、半導体の需要はどんどん高まっていて、AIの発展にも欠かせない存在になっています。
SOX指数は過去10年で年間平均25%近くも伸びていて、「大きなリターンを狙いたい!」という方にはかなり魅力的な投資先です。
ただし、値動きが激しいのも特徴なので、「リターンを重視したいけど、リスクがあるのも理解している」というある程度投資に慣れている人に向いています。
【FANG+ ファングプラス】超集中投資で高リターンを狙う
さらに一歩リスクを取って、ハイリターンを目指したい方には「FANG+連動型」という商品もあります。
こちらはたった10社に絞って投資をする、いわゆる“超集中型”のファンド。
Meta(旧Facebook)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)に加えて、AppleやMicrosoftなど、世界を代表するIT企業に均等に投資する仕組みです。
ただし、10銘柄だけなので値動きの幅も大きく、少し投資に慣れた方向けかもしれません。
iFreeNEXT FANG+インデックス
信託報酬:0.7755%
FANG+(ファングプラス)に連動する投資信託です。
人工知能(AI)、電気自動車、クラウドサービス、メタバースなど世界の中でも特に勢いのあるテクノロジー企業10社にまとめて投資できるのが魅力。
「10社に集中投資する」ことから、非常に高いリターンが期待できる反面、値下がりしたときの影響も大きくなります。
約10年で18倍に成長したという実績があるため、夢のある投資先ではありますが、投資経験が浅い方は少額から始めるのが安心。
「ちょっとリスクはあっても、大きな成長を狙ってみたい」そんな方には、候補のひとつとして検討してみてもよさそうです。
【金 ゴールド】株だけじゃ不安…守りの資産を入れたい人に
投資をしていると、「株が下がった時に怖いな…」と思うこともあるかもしれません。
そんな時に心強いのが、「金(ゴールド)」。株とは違う動きをする資産です。
金はリーマンショックやコロナショックのような株式の下落時に逆に値上がりしていたという実績があります。特に最近は金価格が最高値を更新するなど注目が高まっています。
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)
信託報酬:0.407%
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)は、金(ゴールド)の値動きに合わせて価格が上下する投資信託です。
金は、価格の変動が大きく、短期間で利益を出すのはむずかしい面もあります。
でも、物価が上がるとき(インフレ)や、世界で戦争や金融不安など「もしも」のことが起きたときに、価値が下がりにくい「守りの資産」とされています。
また、株や債券とは違う動きをすることがあるので、組み合わせて持つことで全体のリスクをやわらげる役割もあります。
株だけの運用が心配で「守りの資産」を少し入れたい人、金に興味があるけど現物を持つのは不安な人、リスクを分散したいけど難しいことはしたくない人におすすめ!
このファンドは「為替ヘッジなし」なので、金の価値が上がっているときに円安になると、ダブルで値上がりを狙えます。
ただし、円高になると利益が目減りすることを理解したうえで、少しずつ取り入れると安心です。
【配当重視の投資信託】安定収入が欲しい方へ
「毎年少しずつお小遣いがもらえる」ようなイメージで投資をしたい方には、高配当株に投資する商品もおすすめです。
楽天・SCHD / SBI・SCHD
信託報酬:0.1238%
SCHDはアメリカの高配当ETFで、「配当金を受け取りたい」という人に人気です。
その内容を再現したのが楽天・SCHDという投資信託。過去5年の配当利回りは平均3.5%以上と、かなり高めです。
しかも毎年のように配当が増えており、長期保有にも向いています。月100円からでも買えるので、少しずつ始めたい方にもぴったり。
楽天SCHDとSBI SCHDはほとんど同じ内容で、信託報酬も同じ0.1238%。
証券会社の使いやすさで選ぶとよいでしょう。
新NISA成長投資枠のよくあるギモン
ここでは、新NISAの成長投資枠に関するよくあるギモンにお答えします。
- 成長投資枠で「個別株」は買えるの?
-
はい、買えます。
成長投資枠は、上場している「個別株」にも投資が可能です。
ただし、個別株は特定の企業に投資するため、その企業の業績やニュースによって株価が大きく変動するリスクがあります。
初心者の方にとっては、複数の企業に分散して投資できる「インデックス投資信託」の方が比較的リスクが低く、安心して始めやすいと言えるでしょう。
- どれくらいリターンが期待できるの?
-
投資信託のリターンは市場の動き次第ですが、S&P500連動型ファンドは過去10年で年平均7〜10%前後のリターンを記録しています。新興国やNASDAQ100はさらに高いリターンも期待できますが、値動きも大きくなります。
- 積立と一括、どちらがいい?
-
初心者や主婦の方には、リスクを抑えやすい積立投資がおすすめです。
まとまった資金がある場合は、一括投資も選択肢になりますが、価格変動のリスクも考慮しましょう。
- 成長投資枠の投資信託の選び方は?
-
信託報酬の安さ、純資産総額の大きさ、運用実績、投資テーマ(米国株・全世界株・ハイテク・新興国など)をバランスよくチェックしましょう。
まとめ:成長投資枠でお金を育てよう
最初は「投資って難しそう」「損をしたらどうしよう」と不安に思うかもしれません。
でも、少しずつ積み立てていけば、お金が育っていく楽しさも実感できるはず。大切なのは、自分の目的や家計の状況に合った商品を選ぶこと。そして、長く続けることです。
全世界株式や米国株のような安定感のある商品から始めてみるのもおすすめですし、もう少しリターンを狙いたい方は、成長性のあるファンドにチャレンジするのもよいでしょう。
手数料の差も大きなポイントになるので、選ぶときにはぜひ注目してみてください。
新NISAを上手に活用して、無理なく、自分のペースで資産形成を始めてみましょう。未来の安心のために、今日から一歩を踏み出してみませんか?