新NISA「成長投資枠」の使い方|一括投資と積立投資どっちがいいの?つみたて投資枠との使い分けも

つみたて投資枠のことはよく聞くけど、成長投資枠ってなんとなく難しそう…と感じていませんか?

今回は「新NISAの成長投資枠ってどう使えばいいの?」という疑問にお答えしていきます。

実は、成長投資枠にはいくつかの活用パターンがあり、自分の投資スタイルに合わせて選ぶことができます。

この記事では新NISAのしくみを確認しながら、成長投資枠の使い方やつみたて投資枠との使い分けをやさしく解説します。

目次

まず新NISAの基本をおさらい

新NISAには2つの投資枠があります。

つみたて
投資枠
成長投資枠
投資上限
(年間)
最大120万円最大240万円
投資方法積立のみ積立 or 都度購入
投資対象長期・分散投資に適した投資信託株式一部の投資信託・ETF・REITなど
特徴金融庁の基準を満たす厳選した商品のみで
初心者でも安心
より多様な商品に投資でき
リターンも大きく狙える
投資の
スタイル
積立設定で自動的にコツコツ投資自分で銘柄を選ぶ
難易度やさしい少し難しい
向いてる人初心者・忙しい人ある程度慣れた人・余裕がある人

※どちらも非課税期間は無期限で、生涯投資枠の上限は1800万円まで。

そのうち、成長投資枠として使えるのは1200万円が上限です

成長投資枠って、どんなときに使うの?

基本はまず、つみたて投資枠でコツコツ積立をするのが安心な方法です。

それでも成長投資枠を使いたい場合、以下の3つのパターンがあります。

① つみたて投資枠だけでは物足りないときの追加投資に

つみたて投資枠(月10万円)を満額使っても、さらに投資したい場合は、成長投資枠(月20万円)を使うことで、合計月30万円まで積立が可能になります。

たとえば月15万円や20万円など、より多くを積立したい方は、成長投資枠を活用することで実現できます。

② タイミングを見て、スポット(単発)投資をしたいとき

毎月の積立ではなく、「今、買いたい!」というタイミングで投資をしたい場合も、成長投資枠が使えます。

ただし注意点として、スポット投資は感情に流されやすい一面があります。「値下がりしたら買う」など、自分なりのルールをあらかじめ決めておくと、落ち着いて投資ができます。

たとえば…

  • 高値から10%下がったら買う
  • 資金を4回に分けてタイミングをずらして買う

といった方法が考えられます。

③ 成長投資枠でしか買えない商品を選びたいとき

成長投資枠では、個別株やETF、高配当株、投資信託など選べる商品が幅広くなっています。

たとえばこんな商品:

  • NASDAQ-100連動のインデックスファンド(米国のハイテク企業中心)
  • インド株式のインデックスファンド
  • VYMなどの高配当ETF

特にNASDAQ-100は、最近「楽天NASDAQ-100」という新しい商品が登場し、手数料(信託報酬)が業界最安レベルということでも話題です。

つみたて投資枠では選べない商品もあるため、「この銘柄が買いたい!」というときは成長投資枠の出番です。

成長投資枠とつみたて投資枠の使い分け

新NISAで「成長投資枠」を使うときは、つみたて投資枠と上手に使い分けることが大切です。

使い分けには、プロの投資家も取り入れている「コア・サテライト戦略」がおすすめ。

  • コア:全体の70-80%を安定した「全世界株式」や「米国株式」などの安定した銘柄で積み立て
  • サテライト:残りの20-30%でより高いリターン(利益)を目指して特定の地域やテーマ型の商品に投資

投資先を分けることで、全体として安定感を保ちながら追加のリターンも狙うことができます。

コアの部分をつみたて投資枠サテライト部分を成長投資枠にすると◎。

つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせて、リスクを抑えつつ効率的な運用を目指しましょう。

銘柄の組み合わせについては以下の記事でご紹介しています。

【新NISA】つみたて投資におすすめの銘柄組み合わせ10パターン

成長投資枠は一括投資と積立投資、どっちがいいの?

成長投資枠では、一括投資はもちろん、積立投資をすることもできます。

一括投資ってなに?

一括投資は、まとまったお金を一度に投資する方法です。

たとえば、ボーナスで50万円手に入ったときにドン!とその全額を投資に回すようなイメージ。

一括投資のメリットは、相場が上がっている時に投資すると大きな利益が狙えることです。最初に投資するタイミングを決めてしまえば、あとは何もしなくていい手軽さもあります。

ただし、もし投資した直後に相場が下がってしまうと、大きな損失になることも。

積立投資ってなに?

積立投資は、毎月コツコツと一定額を投資していく方法です。

「毎月1万円を投資信託に」と決めて、長く続けていくスタイル。

積立投資の一番のメリットは、毎月一定額を投資することで価格が高いときは少なく、安いときは多く買える=「ドルコスト平均法」で価格変動のリスクを分散できることです。

また、相場のタイミングを気にせず自動的に積み立てられるので、精神的に安定した状態で投資を続けられる点も◎。

毎月少しずつの投資なので、大きな利益が出るまでに時間はかかります。

初心者におすすめなのは一括・積立どっち?

初心者の方や忙しい方には、積立投資がおすすめです。

「投資って難しそう…」という不安がある方でも、積立投資なら少額から始められ、時間を味方にしながら少しずつ資産を増やしていけますよ。

成長投資枠で一括投資をするときに守るべきこと

一括投資は「マイルールを作って淡々と」が鉄則

一括投資をするときは、あらかじめ「自分なりのルール(マイルール)」を決めて、感情に左右されずに淡々と行うことがとても大切です。

たとえば…

一括投資用の資金を、あらかじめ「4つ」に分けておきます。

そして、

  • 直近の高値(ピーク)から10%下がったら1回目の購入
  • さらに10%下がったら、2回目の購入
  • 以後、10%下がるごとに1/4ずつ投資

この方法なら、最大で40%下がったとしても、資金を切らさずに買い続けることができます。

繰り返しますが、一括投資は感情に流されやすい投資法です。

だからこそ、事前にしっかりマイルールを決めておき、機械的に淡々と実行することが成功のポイントです!

リスクを減らす「分散投資」の考え方

昔からある投資のことわざに、「卵は一つのカゴに盛るな」というものがあります。

これは、一つの投資先だけに時期やお金を集中させてしまうと、万が一うまくいかなかった時に全部ダメになってしまうという意味。

つまり、リスクを一箇所にまとめない工夫=分散が必要です。

分散投資には、大きく分けて3つのポイントがあります。

投資先を分ける(地域・ジャンル)

たとえば、「アメリカの株」だけにするのではなく、全世界の株、新興国(これから成長が期待される国々)の株など、いろいろな国・地域に分けて投資します。

投資先を分けることで、どこかの国が調子を崩しても他でカバーしやすくなります。

また、株のジャンルも、

  • 値上がりをねらう「ハイテク株」中心のもの
  • 安定した利益が出やすい「高配当株」

などを複数をバランスよく組み合わせるのもおすすめです。

タイミングを分ける(時間分散)

新NISAの「成長投資枠」では年間240万円まで使えますが、この金額を一気に投資するのではなく、数回に分けて投資することでリスクを減らすことができます。

特に、株価が上がったり下がったりしている不安定な時期には、タイミングをずらすことで損をしにくくなります。

投資方法を分ける(積立と一括の使い分け)

まとまったお金がある場合は一括で投資することもできますが、毎月コツコツの積立も組み合わせることで、より安心して運用できます。

成長投資枠におすすめの銘柄については、以下の記事でご紹介しています。

【新NISA成長投資枠】リターンを狙えるインデックス投資信託10選

よくあるギモン

成長投資枠の積立投資は、つみたて投資枠のように自動で買い付けはできるの?

はい、できます!

実は、「成長投資枠」でも毎月の自動積立が可能なんです。

つみたて投資枠のように、設定さえしておけば、毎月決まった日に自動で買い付けてくれるので、「買い時を気にしすぎて疲れる…」という心配もありません。

ただし、積立設定ができるかどうかは、証券会社の商品やサービスによって違うこともあるので、使っている証券会社で「自動積立に対応しているか」をチェックしておくと安心です。

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用できる?

はい、できます!

  • 毎月1万円ずつ、「つみたて投資枠」で全世界株式の投資信託にコツコツ積み立てる
  • ちょっと余裕があるときに、「成長投資枠」で米国株やハイテク株のファンドを一括で買う

というふうに、家計のペースに合わせて自由に組み合わせが可能です。

どちらか一方だけでもOKですが、両方を上手に使えば資産づくりをムリなく効率的に続けられますよ。

積立と一括、どちらがいい?

初心者や主婦の方には、リスクを抑えやすい積立投資がおすすめです。

まとまった資金がある場合は一括投資も選択肢になりますが、価格変動のリスクも考慮しましょう。

まとめ:成長投資枠を上手に使って効率的に資産を増やそう

成長投資枠は自由度が高く、「もっと資産を増やしたい!」という方に向いています。

使い方は以下の3つ。

  1. つみたて枠の枠が足りない分を補う
  2. タイミングを見てスポット的に買う
  3. 成長投資枠でしか買えない商品

成長投資枠では「一括投資」と「積立投資」どちらもできますが、初心者の方は積立投資がおすすめです。

価格のブレも分散できるし、家計に合わせて続けやすいのがメリット。

一括投資は、うまくいけば増えるスピードも早いけどタイミング次第で損をすることも。

投資に慣れてから取り入れるとよいでしょう。一括投資する場合はしっかり自分ルールを決めてから!これは絶対守ってくださいね。

新NISAおすすめの使い分けは、

  • つみたて投資枠で「コツコツ安定」
  • 成長投資枠で「チャレンジ&プラスα」

こんなふうに分けて考え、無理なく効率的に資産づくりをしていきましょう。

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