「NISAを始めたいけど、どの投資信託を選べばいいかわからない」
「よく聞く“S&P500”や“オルカン”って何?」
「みんなどの銘柄を買ってるの?」
そんなふうに迷っていませんか?
新NISAには「長期・分散・低コスト」の投資信託がそろっていますが、実は100本以上も銘柄があるんです。
こんなにたくさんあると、何が人気で何が自分に合っているのか、どうやって選べばいいかわからなくなってしまいますよね。
この記事では、NISA初心者に人気の高い銘柄を20本ご紹介します。どれも手数料が安く、長期の資産形成に適したインデックス型投資信託です。
銘柄の選び方や組み合わせのコツも解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
新NISAの「つみたて投資枠」ってどんな制度?
まずはカンタンに「新NISA」について説明します。
もう知ってるよ!という方は新NISAおすすめ銘柄にジャンプ
新NISAとは?
2024年からスタートした新しいNISA制度では、年間360万円、最大1800万円まで非課税で投資ができるようになりました。大きく分けて次の2つの投資枠があります。
- つみたて投資枠(年120万円まで):毎月コツコツ積み立てる長期投資向け
- 成長投資枠(年240万円まで):大きいリターンも狙える自由度の高い枠
つみたて投資枠の特徴
- 投資対象は国が定めた「長期・分散・低コスト」の投資信託やETF
- 購入できるのは一定の基準を満たした銘柄だけ
- 長期的な資産形成にぴったり
家計にムリのない金額で、毎月コツコツと“自分年金”をつくる感覚で始められます。
インデックス投資信託とは?初心者にも安心の投資先
インデックス投資信託とは、市場の平均値(インデックス)と同じ動きを目指す投資信託です。代表的な銘柄には、以下のようなものがあります。
- S&P500:アメリカの代表的な500社に連動
- 全世界株式(オルカン):先進国+新興国を含む全世界に投資
- TOPIX:日本の株式市場全体に連動
インデックス投資のメリットは次の3つ。
- 分かりやすい運用方針
- 手数料(信託報酬)が安い
- 長期で成果が出やすい
アクティブファンドに比べて、手数料が安いためコストが気になる方ににぴったりです。
投資信託を選ぶときのポイント
銘柄を選ぶときは、以下のポイントをチェックしましょう。
- 信託報酬(運用コスト)が低いか?
- 長期運用に向いているか?
- 純資産総額が一定以上あるか?(目安は100億円以上)
- 投資対象(米国株式、全世界、日本株式など)は自分の目的に合っているか?
1つずつ見ていきます。
信託報酬(運用コスト)が安いか?
銘柄選びの大事なポイントの一つが手数料です。
信託報酬(しんたくほうしゅう)とは、投資を続けている間ずっとかかる「運用管理手数料」のこと。
この費用が高いとそのぶん将来の利益が目減りしてしまいます。
だから、できるだけ手数料の安い商品を選ぶことが長期の資産づくりにはとても大切です。
長期運用に向いているか?
つみたて投資枠は、基本的に10年・20年と“長く持つこと”を前提に作られています。
そのため、じっくり育てていく商品であることが何より大切。
短期間で値上がり・値下がりが激しい商品を選んでしまうと、長く続けるのが不安になってしまいますよね。
だからこそ、「この商品は、長い目で見てコツコツと増えていきそうか?」という視点で選ぶことがポイントなんです。
長期運用に向いている商品の特徴は、
- 信託報酬が低い
- 分散投資ができている(たくさんの企業・国にバランスよく投資)
- 値動きが大きすぎない
長期投資はいわば「時間を味方にする投資」です。安心してコツコツ育てられる商品を選びましょう。
純資産総額が一定以上あるか?(目安は100億円以上)
純資産総額(じゅんしさんそうがく)とは、その投資信託にどれくらいのお金が集まっているかを表す金額のことです。
この金額が大きいほど、「たくさんの人が選んでいる=人気がある」ということになります。人気がある商品は、長く運用が続けられやすく、安心して長期の資産づくりができるというメリットがあります。
さらに、多くのお金が集まっているファンドは効率的に運用されることが多いため、信託報酬も比較的低めに設定されていることが多いんです。
つまり、純資産総額が大きいと「人気があって安心、手数料も抑えられるかも」といううれしいポイントがそろった商品と言えます。
投資対象(米国株式、全世界、日本株式など)は自分の目的に合っているか?
投資信託を選ぶときは「どこの国や地域に投資しているか」「どんなテーマで運用されているか」を見るのもとても大切。投資先によってリターンの期待値やリスクの感じ方がまったく変わるからです。
たとえば…
- 「全世界」や「アメリカ」など広く分散されたもの
- 「インド」「IT系」などテーマ性のある商品 など
安定感を重視するなら分散型の商品、将来のリターンに期待するならテーマ性のある商品など、自分の投資目的に合ったものを選びましょう。
【新NISAつみたて投資】初心者に人気のインデックスファンド20選
NISAで取り扱っているインデックスファンドは100本以上。多すぎて悩んでしまいますが、タイプ別に分けると選びやすくなります。
- 【全世界株式】オルカンに代表される王道の分散投資
- 【米国株】S&P500連動の成長重視タイプ
- 【全米株式】VTI連動で中小型株もカバー
- 【日本株】日本に幅広く投資したい方に
- 【バランス型】1本で株と債券に分散したい方向き
- 【先進国株式】経済が安定した国の株に幅広く分散投資
- 【新興国株式】ちょっと冒険してリターンを狙いたい方に
- 【ハイテク成長株】最先端企業に投資して大きいリターンを狙う
ここでは「人気」「信託報酬が安い」「新NISAのつみたて枠対象」の3点を満たす銘柄をタイプ別に厳選してご紹介します。
【全世界株式】オルカンに代表される王道の分散投資
長期投資向けで安定した利回りを目指すなら、全世界株式型の銘柄がよいでしょう。
アメリカ・ヨーロッパ・日本・新興国など、世界中に広く分散投資できるから、どこかの国が調子を崩しても他でカバーしやすいです。
日本を含む全世界の株式に分散投資できます!
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
- SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 0.05775% | 全世界株式(日本含む) |
2 | 楽天・プラス・オールカントリー 株式インデックス・ファンド | 0.0561% | 全世界株式(日本含む) |
3 | SBI・V・全世界株式 インデックス・ファンド | 0.1238% | 全世界株式(日本含む) |
一番人気はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)1本で全世界に分散投資できる「王道」ファンド。
低コストで運用実績も豊富です。迷ったらまずコレ。
オルカンについては、以下の記事でくわしく解説しています。
全世界に分散投資するなら…
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
【米国株】S&P500連動の成長重視タイプ
世界経済の中心=米国市場の成長に期待するなら「S&P500」に連動する銘柄がおすすめ。
成績も好調で米国株に集中投資したい人に支持されています。
アメリカを代表する500社(Apple、Microsoft、Google、Amazonなど)に分散投資できます
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) | 0.09372% | S&P500(米国TOP500企業) |
2 | SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド | 0.0938% | S&P500(米国TOP500企業) |
3 | 楽天・プラス・S&P500 インデックス・ファンド | 0.162% | S&P500(米国TOP500企業) |
初心者さんなら一番人気で低コスト、運用実績豊富なeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がおすすめ。
楽天・プラス・S&P500は、楽天証券でポイント投資ができます。少しコストが高いけど楽天経済圏の方なら選ぶ価値あり。
S&P500については、以下の記事でくわしく解説しています。
米国の有名企業に投資するなら…
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
【全米株式】VTI連動で中小型株もカバー
先ほどのS&P500連動型は アメリカの有名企業500社に投資しますが、この「VTI連動型」は アメリカの上場企業ほぼすべて(約4,000社)にまるごと投資する銘柄です。
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBI・VTI)
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | 楽天・全米株式 インデックス・ファンド (楽天VTI) | 0.162% | VTI(米国上場企業4000社) |
2 | SBI・V・全米株式 インデックス・ファンド (SBI・VTI) | 0.0938% | VTI(米国上場企業4000社) |
楽天VTIは、楽天証券でのポイント投資や楽天経済圏との相性が良く利便性が高いですが、信託報酬がやや高めでつみたてNISAの対象外なのでご注意ください。
SBI・VTIは信託報酬が業界最低水準で、つみたてNISAもOK。初心者さんならSBIがよいでしょう。
アメリカの上場企業ぜんぶに投資するなら…
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(SBI・VTI)
【日本株】日本に幅広く投資したい方に
日本株に投資したい方は、日本の上場企業全体に幅広く投資できる「TOPIX」連動型インデックスファンドはいかがでしょうか。
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- ニッセイTOPIXインデックスファンド
- iFree TOPIXインデックス
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.143% | 日本株(TOPIX) |
2 | ニッセイTOPIX インデックス・ファンド | 0.143% | 日本株(TOPIX) |
3 | iFree TOPIXインデックス | 0.154% | 日本株(TOPIX) |
低コストで安定した運用を重視する方はeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)、初心者で信頼性の高いファンドを選びたい方はニッセイTOPIXインデックスファンドがおすすめです。
日本株インデックスについては、以下でくわしく解説しています。
日本の上場企業に投資するなら…
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
【バランス型】1本で株と債券に分散投資したい向き
複数の資産に手間なく分散投資したい人におすすめなのがバランスファンド。
一般的に株式と債券は逆の動きをする傾向があります。一本で国内外の株と債券に投資できるファンドを選ぶと値下がりリスクを抑えられ、気持ち的にも落ち着いて運用できます。
- ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- たわらノーロード バランス(8資産均等型)
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | ニッセイ・インデックス バランスファンド(4資産均等型) | 0.154% | 国内外の株式・債券 |
2 | eMAXIS Slim バランス (8資産均等型) | 0.143%以内 | 国内外の株式・債券・REIT |
3 | たわらノーロード バランス (8資産均等型) | 0.143% | 国内外の株式・債券・REIT |
リスクを抑えたい方はニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)がおすすめ。コストを抑えつつ、分散投資で安定したリターンが欲しい方はeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が◎。
1本で幅広く投資したいなら…
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
【先進国株式】経済が安定した国の株に幅広く分散投資
先進国株式に投資するインデックスファンドは、アメリカやヨーロッパなど経済が安定した国の大企業に分散投資できるのが魅力です。
先進国は技術力や経営力が高い企業が多く、長期で見ると経済成長が見込めます。
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 先進国株式 インデックス | 0.1023%以内 | 先進国22か国の株式(日本を除く) |
2 | ニッセイ外国株式 インデックスファンド | 0.1023% | 先進国22か国の株式(日本を除く) |
eMAXIS Slimは業界最低水準の運用コストを目指し、信託報酬の段階的な引き下げを検討しています。
長期的にコストを抑えたい方はeMAXIS Slim 先進国株式インデックスを選ぶとよいでしょう。
欧米に投資するなら…
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
【新興国株式】ちょっと冒険してリターンを狙いたい方に
新興国株式インデックスファンドは、インド、台湾など「これから経済成長が期待できる国々」に投資するファンドです。
ハイリスクハイリターンではありますが、先進国と違う動きをすることがあるため、先進国と新興国の株式を組み合わせることでリスク分散にもつながります。
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 新興国株式 インデックス | 0.1518% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
値動きが大きいので一括投資より「つみたて」向き。月々少しずつでも積み立てていけば、大きなリターンを狙えるチャンスがあります。
中国・インド・ブラジルなどに分散投資するなら…
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
【ハイテク成長株】最先端企業に投資して大きいリターンを狙う
AppleやGoogle、インスタの会社「Meta」などアメリカの有名なハイテク企業100社に投資するのがNASDAQ100連動型の銘柄。
Amazonやテスラなど、成長が期待されている企業もたくさん含まれています。
ハイテク企業は値動きが大きいぶん将来的に大きく増えるチャンスがあるため、リスクをとっても増やしたい!という人に向いています。
さらにもう少しリスクを取って大きなリターンを狙いたいという人には、「FANG+連動型」のファンドも。
Meta(旧Facebook)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の4つの頭文字をとってFANG+と名付けられています。
たった10社にしぼって投資する“超集中型”のファンドで、実際過去10年で18倍に成長しました。
とても夢があるファンドですが、大きなリターンが狙える一方、値下がりしたときのダメージも大きくなりがち。
「ちょっとリスクはあるけど、その分、大きく増やせたらうれしい!」という方には、選択肢のひとつとして考えてみる価値アリです。
- iFreeNEXT FANG+インデックス
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
人気度 | 銘柄 | 信託報酬 | 投資対象 |
---|---|---|---|
1 | iFreeNEXT FANG+ インデックス | 0.7755% | FANG+指数 |
2 | iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス | 0.495% | 米国NASDAQ100指数 |
ハイリスクでも大きいリターンを狙いたい方はiFreeNEXT NASDAQ100インデックス、リターンを狙いたいけどある程度分散して投資したい方はiFreeNEXT NASDAQ100インデックスがおすすめ。
NASDAQは、成長投資枠のほうに手数料の低い商品があります。以下の記事で解説していますので興味がある方は読んでみてくださいね。
ハイテク企業に期待してリターンを狙うなら…
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
新NISA&つみたて投資のよくあるギモン
- どれを選べばいいか迷う…1本だけ選ぶならどれ?
-
迷ったときは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめです。これ1本で先進国から新興国まで幅広く分散投資できるため、初心者にも安心。
もう少しリターンを狙いたい場合は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が◎。米国の成長力に集中投資でき、長期では高いパフォーマンスが期待できます。
- 何本か組み合わせた方がいい?
-
基本は1本でOKですが、「オルカン+バランス型」などの組み合わせもあり。無理のない金額で分散を心がけましょう。
- おすすめの組み合わせパターンを教えて!
-
安定志向の分散型:
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)70%
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 30%
→ 株と債券でバランス良くリスク抑制
成長志向タイプ:
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)70%
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 30%
→ 米国中心にしつつ、新興国の成長も取り込む
世界分散×日本株MIX:
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)80%
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)20%
→ 世界+日本に分散。日本株も持ちたい人に
株式控えめの低リスク型:
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)50%
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 50%
→ 債券多めでリスク低め。年齢が高めの方にもおすすめ
おすすめの銘柄組み合わせはこちらでくわしく紹介しています。
まとめ:「迷ったらオルカン」まずは少額から始めてみよう
新NISAのつみたて投資枠で大切なのは、「続けられる商品を選ぶ」ことです。無理せず自分のペースで、長期目線で投資を続けることが資産形成のカギ。
今回ご紹介した20本はいずれも人気があり、信託報酬も安く、初心者にもやさしい設計になっています。
とくに「オルカン」は、どの世代にもおすすめできる王道商品。迷ったらまずはそこから始めてみましょう。
小さな一歩が将来の大きな安心につながります。
「まずは月5000円から」「まずは1本だけ」そんな気持ちで、ぜひ新NISAのつみたて投資を始めてみてくださいね。