新NISAで大人気のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)。
最近投資を始めた人だけでなく、経験豊富な投資家からも好評ですが、人気だからという理由でなんとなく選んでいる人も多いのではないでしょうか。
「実はよく分かっていない…」という声もよく聞きます。
この記事では、2025年最新の情報をもとに、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基本や魅力をわかりやすくていねいに解説していきます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とは?
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は「インデックスファンド」と呼ばれる投資信託の一つ。
この投資信託を1つ買えば、アメリカの代表的な企業500社(AppleやGoogleなど)に自動的に分散投資してくれます。
なんで人気なの?
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が人気なのは、「わかりやすくて安心」そして「将来に期待できる」から。
「株ってなんだか難しそう…」という方でも、S&P500はAppleやマイクロソフト、Amazonなどすでに実績のある優良企業にまとめて分散投資できるから安心感があります。
手数料もとても安く、長く続けてもコストがかさみにくいのもメリット。
過去30年の平均リターンが12%と高く、長期でコツコツ積み立てれば将来に向けてしっかり資産を育てることができます。
また、アメリカは人口が増え続けていて、ITやAIなどの成長分野でも世界をリードしています。これからもまだまだ伸びしろが期待できる国です。
新NISAとの相性も良いことから、「長期でしっかり資産を育てたい」と考える人や投資初心者にぴったりな選択肢として、たくさんの方に選ばれています。
S&P500ってなに?投資先はどこ?
ここからは、S&P500について掘り下げていきます。
そもそもS&P500ってなに?
「S&P500」というのは、アメリカを代表する大企業500社の株価をまとめた指数。米国株全体の約80%をカバーしています。
たとえばこんな会社が含まれています
- Apple
- Microsoft
- Google(親会社はAlphabet)
- Amazon
- NVIDIA エヌビディア
- Meta(旧Facebook)
- JPモルガン
S&P500の投資先・ジャンル
S&P500に含まれる企業は以下のように分類できます。
- IT・テクノロジー系…Apple、Microsoft、NVIDIAなど
- 通信・SNS・広告…Meta、Alphabetなど
- 小売・クラウド…Amazonなど
- 金融…JPモルガン、バンク・オブ・アメリカなど
- 医薬品・ヘルスケア…Eli Lilly、Johnson & Johnsonなど
- エネルギー…エクソンモービルなど
特に最近はハイテク企業の割合が高めで、S&P500の約30%以上がIT関連になっていることもあります。
S&P500の特徴
S&P500は経費率が安く、長期的に見ると高い成長を続けてきました。
構成比率は時価総額(=市場の評価)の大きさによって決まります。
AppleやNVIDIA エヌビディアの株価が上がれば、S&P500全体も影響を受けやすいです
構成銘柄は入れ替えがあり、企業の成長や衰退に応じて定期的に見直されます。成長企業が加わり、落ち目の企業は除外されるしくみになっています。
S&P500の選ばれ方
S&P500に組み込まれる企業にはいくつかの条件があります。
- アメリカに本社があること
- 時価総額が一定以上(数千億円以上)
- 株式が広く一般に流通している(流動性が高い)
- 継続的に黒字経営をしていること
- 選考委員会による総合的判断
さらに、「時価総額加重方式」が採用されているので、企業の株価 × 発行済株式数(=時価総額)が大きいほどS&P500に与える影響も大きくなります。
つまり、成長している大企業に自動的に多く投資される設計になっています。
S&P500過去の実績とリターン・リスク
「リターン」と「リスク」
投資では「リターン」と「リスク」という言葉がよく出てきます。
- リターン:増えたお金の割合のこと(例:100万円が1年で110万円になれば+10%)
- リスク:価格の「ブレ幅(変動の大きさ)」のこと。リスクが高い=上がる可能性も大きいけど、下がる可能性も大きい
つまり、リスクがあるからこそリターンも期待できるというのが投資の基本です。
S&P500の「過去30年」の成績(1995年〜2024年)
- 年平均リターン:約+12.5%
- 年平均リスク:約18.4%
これは「増えた年もあれば下がった年もあるけど、30年平均すれば12.5%で増えたよ」という意味です。
1000円を投資すると1年後に約7割の確率で940円〜1300円になっているというイメージです
S&P500と同じくらい人気のオルカン(全世界株式)と比較してみると、
- オルカンの場合は、30年で資産が約8倍に(年+9.9%)
- S&P500は、30年で資産が約24倍に!(年+12.5%)
つまり、アメリカの株(S&P500)の方が成績が良かったということになります。
ちなみに、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は米ドルで運用されるので、円安になると日本円での利益が出やすくなります。
リスクと確率で見る「1年後の予想レンジ」
S&P500はリスク(価格の変動幅)も大きいですが、統計データから以下のような予測ができます。
1年後の値動き(年リターン12%、リスク18%で想定)
→ −6%〜+30%の間に収まる
→ 10万円を投資した場合、9.4万円〜13万円になる可能性がある
→ −24%〜+48%の間に収まる
→ 10万円が、7.6万円〜14.8万円になる可能性が高い
つまり、短期的には増減が大きいけど長期的にはプラスになりやすいということですね。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)手数料はどれくらい?
投資信託には4つの手数料があります。
- 購入時手数料
- 信託財産留保額
- 信託報酬(保有コスト)
- 総経費率(実質コスト)
このうち、一番大事なのは ③信託報酬 と ④実質コスト です。
- 信託報酬:投資信託を保有している限り、毎年かかる基本の手数料
- 実質コスト:信託報酬に加えて、売買手数料や税金など目に見えない費用を含めた「本当のコスト」
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の手数料は以下のとおり。
手数料の種類 | 説明 | eMAXIS Slim米国株式の場合 |
---|---|---|
購入時手数料 | 買うときにかかる費用 | 0円 |
信託財産留保額 | 解約時にかかる手数料 (迷惑料のようなもの) | 0円 |
信託報酬(保有コスト) | 毎年自動的に引かれる手数料 ※運用中ずっと引かれる | 年0.0814%以内 |
総経費率(実質コスト) | 運用の中で発生する 細かな手数料の合計 | 年0.0924% (最新実績) |
eMAXIS Slim米国株式は、実質コストが年0.0924%と非常に優秀です。
実際どれくらいの金額が引かれるの?
実際の資産額に対して、年間どれくらいコストがかかるかをまとめてみました。
運用額 | 年0.0924%の手数料額 |
10万円 | 約92円 |
50万円 | 約462円 |
100万円 | 約924円 |
500万円 | 約4,620円 |
1,000万円 | 約9,240円 |
つまり、100万円を丸ごと1年間預けても、年間コストはたったの920円程度。
これは業界でも「ほぼ最安」で、かなりお得な設計になっています。
低コストな理由は?
eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」と宣言している珍しいファンド。
実際に、後から登場したライバルファンドが手数料を下げると、eMAXIS Slimもそれに合わせて下げてくれる傾向があります。
「できるだけ手数料を抑えて、長く安心して保有したい」という人にとって、とても心強い味方です。
米国株の強みと将来性
今、米国株(アメリカの株)に投資する人がとても増えていて、その中でもS&P500は特に人気です。
それは、アメリカの株に将来性があるから。では、なぜ「将来性がある」と言われているのでしょうか。
理由①:人口が増え続ける数少ない「先進国」
多くの先進国(日本やドイツなど)では少子高齢化が進み、人口が減っています。
一方、アメリカは移民の受け入れや出生率の維持によって、今後も人口が増え続けると予測されています。
人口が増えるということは、働く人・消費する人・納税する人が増えるということ。
これは経済にとってとてもプラスであり、企業の成長にもつながります。
理由②:世界最大の経済大国で「ルール」を作れる立場
アメリカは世界のGDP(国内総生産)の約25%を占める超大国で、貿易・金融・テクノロジー・軍事力・外交などあらゆる面で世界の中心にいます。
つまり、アメリカにとって有利なルールを世界に押し付ける力があるということ。
たとえば、
- ドルが基軸通貨(世界で一番使われる通貨)
- 米国企業中心の取引所(NASDAQ、NYSEなど)
- 米国中心のテクノロジー標準(Google、Appleなど)
アメリカは、経済ルールの「ゲームの主催者」になっている国なのです。
理由③:成果主義で競争力のある企業が育つ土壌
アメリカ企業の特徴のひとつは「成果主義」。
- 働き方は厳しいけれど、結果を出せば報酬や昇進で報われる
- 結果が出なければ、たとえ幹部でもすぐに交代
- 企業も「常に改善し、変化し続けなければ生き残れない」という強いプレッシャー
そのため、強くてスピーディーな経営が行われ、競争力の高い企業がどんどん育つ環境が整っています。
理由④:AI・IT・テック分野で世界をリード
アメリカは、今もっとも注目されている分野で世界の最先端を走っています。
- AI(人工知能) → OpenAI(ChatGPT チャットジーピーティー)、NVIDIA エヌビディアなど
- クラウド → AmazonのAWS、MicrosoftのAzure
- SNS・広告 → Google、Facebook(Meta)、YouTube
- EV(電気自動車) → Tesla テスラ
これらはどれもS&P500の上位に含まれている企業ばかり。
米国株(S&P500)に投資する=次の時代を引っ張る企業にまとめて投資しているとも言えるでしょう。
理由⑤:日本と比べて、成長の土台が大きく違う
アメリカ | 日本 | |
---|---|---|
人口 | 増加傾向(移民+出生率) | 減少傾向 |
経済成長 | 長期的に右肩上がり | ほぼ横ばい |
イノベーション | AI・IT・バイオで世界をリード | やや停滞気味 |
社会制度 | 成果主義、変化に柔軟 | 終身雇用、年功序列などの傾向 |
このように、日本と比べて「成長しやすい環境」が整っているのがアメリカの強み。
「将来性がある国・企業」に長期でコツコツ投資したいなら、アメリカ株(S&P500)はかなりオススメできます。
新NISAでeMAXIS Slim米国株式(S&P500)をどう活用する?
新しいNISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、非課税で投資ができる金額も大きくなりました。
ここからは新NISA × eMAXIS Slim米国株式(S&P500)について見ていきましょう。
上手に使えば、将来に向けて効率よく資産を増やしていけますよ
新NISA2つの枠のおさらい
まずは、新NISAの2つの枠について。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 年120万円 | 年240万円 |
投資対象 | 長期つみたて向けの低コスト投資信託 | 株式・ETF・幅広い投資信託 |
生涯の非課税枠 | 合計1800万円 |
両方の枠は併用することができ、売却すればその分の枠が復活します。
生涯投資枠について
1人あたりつみたて投資枠・成長投資枠あわせて1800万円まで。
そのうち、成長投資枠は1200万円までという上限があります。
つみたて投資枠については上限がなく、極端に言うと1800万円すべてをつみたて投資枠で埋めることも可能です。
eMAXIS Slim米国株式はどの枠で買える?
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、「つみたて投資枠」「成長投資枠」どちらでも買えます。
コツコツ投資したい人や投資初心者の方は、毎月一定額を積み立てる「つみたて投資枠」での購入がおすすめです。
新NISAを使うと、どれくらい非課税メリットがあるの?
たとえば、eMAXIS Slim米国株式を1年あたり60万円で20年間積み立てた場合(年利7%想定)、
- 20年後の資産額:約2,538万円
- 積立額(元本):1,200万円(年間60万円 × 20年)
- 利益:約1,338万円
- 課税額(20.315%):約272万円
本来なら約272万円の税金が引かれてしまうところ、新NISAを使えば利益約1,338万円がまるまる受け取れます!
新NISA × eMAXIS Slim米国株式おすすめ活用パターン
毎月コツコツ型(家計から出せる余裕資金で運用)
- つみたて投資枠を使って、毎月1万円〜3万円を積立
- 生活に無理なく続けられる金額でOK
- 非課税メリットを活かして10年、20年と長期運用
まとまった資金がある型(ボーナスや貯金の一部を運用)
- 成長投資枠でeMAXIS Slim米国株式を一括購入
- 使う予定のない資金なら、長期保有でしっかり運用
- 価格が下がったときに「買い増し」してもOK
組み合わせ型(つみたて+一括)
- メリハリのある運用でリスク分散
- つみたて投資枠で毎月コツコツ
- 成長投資枠で時期を見ながら追加投資
つみたて投資枠と成長投資枠に分けても、複利効果はきちんと働きますのでご安心くださいね。
S&P500についてのよくある疑問
- S&P500のリターンが大きいことはわかったけど、やっぱり下落リスクが怖い。どうしたらいい?
-
毎月コツコツ積み立てることで、価格の上下を平均化できます(ドルコスト平均法)。
まとめてドカンと投資するよりも、価格が高い時にも安い時にも分散して買うことで、リスクを抑えながら投資できますよ。
まとめ:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)で投資しよう
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、Appleやマイクロソフト、Amazonなどアメリカの有名な大企業500社にまとめて分散投資ができる投資信託です。
過去30年間の平均リターンは年+12%とかなり高く、資産を増やしたい方にぴったり。
もちろん毎年必ず増えるというわけではありませんが、長く続けることで大きく育った実績があります。
価格の変動(リスク)もありますが、月々コツコツ積み立てるやり方ならリスクをおさえながら投資できます。
しかも、このファンドは手数料がとても安くて、運用中のコスト負担もごくわずか。長期の資産づくりに向いています。
新NISAを使うと税金がかからず利益分もまるまる受け取れますので、ぜひ活用してS&P500の投資にチャレンジしてみてくださいね。
※注意事項・免責事項
当ブログでご紹介している内容はあくまで情報提供を目的としたものです。
掲載内容をもとにした投資で損失が出た場合でも、責任は負いかねます。最終的な投資の判断はご自身でお願いいたします。